ホーム > ニュース > VUCA世界での教育
ニュース
VUCA世界での教育

校長 杉森 伸吉(しんきち)
泉友会の皆様におかれましては、コロナ禍の中でも、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
本校も、コロナ禍の影響で、様々な行事を自粛・削減せざるを得ない状況を経験しましたが、本来子どもは密な中で育つものであり、また子どもの感染者・重症者が極めて少ないこともあり、運動会などの学校行事をできるだけ行う中で、生活団のつながりも深まってまいりました。
OECDは、未来を生きる子どもたちへの教育を考える中で、2030年はさらにVUCA世界になることを想定しています。VUCA世界(ヴーカ・ワールド)とは、今以上に変動性、不確実性、複雑性、曖昧性の高い世界です。新型コロナウイルスによる影響は、まさにVUCA世界を演出しました。
VUCAはもともと軍事用語ですが、第二次大戦というまさにVUCA世界の前年に発足した本校の教育には、こうした世界を生きるための知恵が詰まっています。OECDと国際バカロレアは緊密に関連していますので、本校の特色をさらに生かしつつ、PYPという新しいステージに向けて、鋭意準備を進めているところです。
何卒、今後もご理解とご支援のほどを、よろしくお願い申し上げます。

活動報告

泉友会 会長 岡 正博
会員の皆さまにおかれましては平素より泉友会の活動に多大なご支援をいただき厚く御礼申し上げます。2020年は母校の学校予定だけでなく、泉友会の活動もコロナウイルスによって大きく影響を受けました。医療に従事される方々には感謝しかございませんが、会員の皆さまを始め、関係者の皆さまのご健康をお祈りいたしております。
コロナ禍という言葉が飛び交う一年でしたが、学校行事は中止が基本となり、開催できた行事も密を避け、接触するものを無くす緊急対応的な方法で行われました。
卒業パレード以外のすべての行事で来賓の招待は行われず、6年生との交流もなかったことが原因なのか、同窓会への帰属意識の低下が現れてきていることを痛感させられました。同窓会も待ちのスタンスではいけないと感じております。
コロナ禍といえば、人が集まって飲食をすること自体が悪とされてしまったことから、同期会やクラス会を開くこともできない状況が続きます。そこで、今号では成人おめでとうのコーナーを拡大し成人式の写真を募集しました。次号でも同様のページを設けますので75回生の皆さんからの写真を期待しています。このような状況の中、今年30歳を迎える64回生に当時の先生方から30歳おめでとうというビデオメッセージが送られたそうです。心温まる思いがしました。
泉友会の活動は会員の皆様の会費とご寄付で成り立っています。今年は2019年度〜2023年度の5年分の会費(5,000円)納入のお願いをしております。
会員の皆さまにおかれましては、コロナウイルスに気を付けながらお過ごしください。
コロナが収束した暁には、同期会やクラス会を開いて旧交を温めていただきたいと存じます。その日が来るまでお元気でお過ごしください。

会員の活動紹介

67回生 松葉 百合香さん
臨床心理士として学校相談員や大学講師として活動

67回生の松葉 百合香です。心浮き立つ春の気配がするといつも、校門の前で写真を撮った大泉の入学式を思い出します。私は現在、臨床心理士として専門学校の相談員や大学の講師をしており、今年4月には、不登校や発達障害で悩む子どもや保護者の支援するための通所施設、『フリースクールだーちゃ』を開校することとなりました。

支援の届きにくさにもどかしさを感じることも

臨床心理士になりたいと思ったのは、高校1年生の頃でした。子どもの心に関する正しい知識と技術を身に着けるため大学・大学院で臨床心理学を専攻して今年で10年になりますが、一貫して子どもの発達やメンタルヘルスに効果的な心理療法を実践的に学び、研究を重ねてきました。
これまで学校や病院などの施設で心理支援を行ってきましたが、施設に通うことの難しい不登校やひきこもりの子どもには支援の手が届きにくいことに、もどかしさを感じていました。現在、全国の中学校生徒数のうち25人に1人の割合で不登校になっているといわれており、少子化で子どもの数が減っているのにもかかわらずその割合は増加傾向にあります。不登校の原因は、いじめ、学校での居場所のなさ、発達障害や家庭の問題など多様にあり、支援が届かないままでいると、長期的なひきこもりや精神的な問題へと繋がるリスクがあります。

フリースクールを開設し子どもや保護者のサポートを

こうした問題の解決に少しでも貢献するため、臨床心理士によるフリースクールというこれまでにない新しい形で支援をしていきたいと考え、仲間の心理士たちと活動をしています。
心のケアを目的とした多様なプログラムや、家からでも受けられるオンラインカウンセリング、子どもの問題で困っている保護者のサポート等を提供していきます。少しでも低価格で継続的に利用できるようクラウドファンディングを募り、3月には無料体験会を行い、4月に無事開校いたしました。
ご関心のある方はぜひ詳細をホームページにてご覧ください。皆様の益々のご発展と、大泉小の豊かな教育の存続をお祈りいたします。

『フリースクールだーちゃ』
https://sites.google.com/view/dachalabo/home

「追悼 笠原 慎太郎先生」

41回生 重山(岡村) 千賀子
笠原先生は私達が五年生の時に着任され、五きく、六きくと担任をしていただきました。達筆な黒板の文字はお手本そのもの。バスケットボールでは華麗にシュート。「笠原 慎太郎物語」と題して長野県塩尻市での少年時代を、ことわざや笑いを交えて語られました。富浦の臨海では「がんばれ−。」、行事が終わると「ご苦労。」と一人一人に温かく、時には厳しく接してくださいました。
私達が卒業したあとに、ご結婚の知らせが入りました。お相手は、同僚でありマドンナの佐塚 裕美先生! 私達41回生は、三年生の時に佐塚先生に担任をしていただいたので、大きな大きな驚きと喜びでした。
卒業30周年の同窓会には、当時学年の酒井 繁典先生、茅野 俊英先生と共に出席されました。変わらないお話ぶりで懐かしい時に戻りました。笠原先生はいつまでも私達の先生です。ありがとうございました。ご冥福をお祈り致します。
(2020年 12月7日 ご逝去 享年71歳)

Copyright © 2003-2011 泉友会 All rights reserved.