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震災後の「菊の園」

前副校長 山崎 幸一
 3月11日の大地震発生時、本校は「菊の園感謝の会」(謝恩会)の真っ最中でした。当日、私は会議で大学へ行っておりましたので、実際の様子は後から本校の先生たちに聞いたことなのですが、会場である体育館は、天井の照明が大きく揺れ、今にも落ちてきそうで怖かったそうです。それでも6年生児童は慌てることなくテーブルの下に入り、揺れが治まるのを静かに待っていたそうです。電車・バス通学の児童が多い本校ですから、全校児童の下校が大変だったかとご心配いただいた方もいらっしゃるかと思いますが、1年生から5年生は感謝の会のため、給食終了後すぐに下校し、すでに帰宅している時刻でした。6年生は体育館に保護者同伴でおりました。電話やメールが十分機能しない中、学校での保護者への児童引き渡しをせずに済んだのが、本校にとっては大変助かりました。
 卒業式は大学からの指示もあり、例年のように全校児童が参加し体育館で行うのではなく、ランチルームで6年生だけの参列という形で行いました。式の後の卒業パレードは、中庭で教職員と駆けつけてくれた同窓生とでアーチを作り、卒業生を見送りました。
 新年度になり、移動教室の季節がやってきました。4年富浦、5年箱根、6年日光の移動教室は、現地で大地震が起きた場合の避難方法、活動場所の安全性など、細かな点まで想定し、対応策を考えながら、ほぼ例年通りの行程で実施できました。
 5、6年生の富浦臨海生活は、地震・津波・放射線等に不安を抱く保護者も多くいらっしゃったため、自由参加制をとらざるを得ませんでした。また臨海第2期(6年生女子)は、日本近海に何日も停滞する台風のため、全日程を中止しなければなりませんでした。親子で大論争してまでも申し込んでくれた子どもたちには、申し訳ない気持ちでいっぱいです。またこのような異例続きの中、スタッフとして身を粉にして臨海を支えてくださったOB・OGの方々には、この場を借りて御礼申し上げます。
2学期になるとすぐに運動会練習が始まりました。校庭の放射線を心配する声もあり、柴田校長とともに線量計を持ち、校内のあちこちの放射線量の測定を何度も行い、本校敷地の安全を保護者に報告しました。きくまつりでは、第15回卒業生の島村英紀さんをお招きし、地震を中心としたご講演をしていただきました。
 大震災以降、様々な影響で例年通りの教育活動を実施できないことが多々ありました。そんな中で、本校の状況をご理解いただき,いつも応援してくださる小嶋会長さんをはじめとする泉友会の皆様には、感謝の念に堪えません。平成24年度からは、全学年が入学時の定員が90名になります。6年前までは750名ぐらいだった全校児童数も600名を切ります。各学級での児童への指導・対応はよりきめ細やかにできますが、行事等における学校全体のパワーの低下を避けるのはなかなか難しいことです。是非、今後も多方面において、本校の教育活動へのご支援・ご協力をお願い申し上げます。

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