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学校の近況
ゆり組50周年を迎えて

副校長 細井 宏一
ゆり組50年の歴史、その始まりは昭和40年代です。日本企業の海外進出が活発化して海外長期派遣員が増加。その帰国児童のため、全国国公立小学校の先駆けで大泉小に特設されました。日本語の習得・回復及び日本の教育や学校生活への適応が目的です。そのため当時は、2年間を目安として、適応が進んだら地元公立学校に転出しなければならない制度だったそうです。ところが次第に「せっかく大泉小に編入学したのだから、卒業まで一緒に…」という声が高まり、2年縛りが無くなって、「交流」として本校一般学級に移って残ることも選択できるように制度改訂しました。
しかしながら、今はインクルーシブ教育の時代です。帰国児童は一般学級に即混入が普通であり、ゆり組のような少人数特設学級に入るケースは極稀です。ですから、ゆり組の存在意義も見直しを迫られる時がくるかもしれません。例えば「ゆり組は英語で授業を行う学級にする」という方が、グローバル時代に対応した学校の姿・特色になるでしょう。(これは一つのイメージで、まだ具体的検討も何もしていないことですので、くれぐれも決定したかのような噂や誤解の無いようにお願いします。)「令和」の新時代、きくの園は、不易流行の精神で、よき伝統は大切にしつつ、変化に対応した改革も進めて参ります。

祝・海外帰国子女学級 開設50周年

昭和44年に海外帰国子女学級が設立されて50年が経ちました。そのお祝いが2019年10月18日に行われました。ゆり組の子どもたち特製の50周年記念旗が披露されました。
ゆり組の子どもたちによる「ゆり組クイズ」や一般学級の有志と合同でのパプリカダンスが披露されました。その後、実習研究室などで公開授業が行われ、附属大泉小学校が50年かけて培ってきた帰国子女教育が発表されました。
小学生当時、ゆり組で過ごされ、現在近隣小学校でPTA会長をされている方もご出席され、当時を懐かしんでいらっしゃいました。
ゆり組卒業の皆さん、懐かしい母校を見にいらしてください!

きくまつり「開校を祝う会」卒業生からのお話

會田 有璃(あいだ ゆり)さん
64回生 / 2003年卒
慶應義塾大学薬学部卒。高校生の時ロータリー財団の奨学金で1年間アメリカに留学。大学5年生の時に国際チームでアメリカの有人火星ミッションコンテストに出場、世界1位を受賞した(慶應義塾塾長奨励賞も受賞)。現在、製薬会社(Pfizer)で新薬の開発業務を担当。

2019年度の「開校を祝う会」では64回生の會田有璃さんにご講演をいただきました。
小学3〜4年時にアメリカに滞在し、高校進学後も数々の国を渡り歩いた會田さんのお話は、ゆり組創設50周年という節目の年であり、日本でオリンピックイヤーを迎えようとしている今、子どもたちが世界に目を向け、理解を深める非常に貴重な機会となりました。
幼少期から向井千秋さんに憧れ、宇宙飛行士になりたいと思うようになった會田さん。その夢に始まり「日本を感謝大国にして世界を繋げたい」という強い志を原動力に、各国の外交官に“日本のために何をしてくれたか”をインタビューして回り、その内容をまとめた書籍を2016年に出版されました。
長い歴史の中で他国が自国に対しどのような支援をしてくれたかを知り、感謝することで、世界は互いに結束できると會田さんは考えています。
最後に「きくの子の人生は多様な行事を通し挑戦することの連続。きくの子としての経験が他人への偏見をなくし、世界への理解を広げるきっかけとなると信じている。将来どのような職業に就いても、他人を好きと思い、ありがとうの気持ち持つことで、世の中の見え方は変わってきます。その土台となる今の時間を大切にしてほしい。」と會田さんはメッセージを贈り、締めくくりました。

15回生が“きくまつり”に来校

2019年度の「きくまつり」で菊の子汁を作っているときに15回卒業生の方々がいらっしゃり、きくまつりを見学されました。写真を写させて頂いたのでご覧ください。その後、大泉学園駅の近くで同期会だそうです。

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