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学校の近況
68回生成人おめでとう!

上田 真也

■大切なひとかけら
卒業時6年うめ組担任 上田 真也

第68回の卒業生の皆さん、ご成人おめでとうございます。皆さんの門出をお祝いする機会を泉友会からいただきましたので、小学校時代の思い出を振り返りながら、この先も人生を歩んでいく皆さんへの気持ちを綴ってみたいと思います。
 皆さんのことは、小学校の1、4、5、6年生で担任をしました。私の教師経験は20年になりますが、4年間も受け持ったのは皆さんだけです。それだけに、心に残る思い出はたくさんあります。
 4年生のお別れ音楽会での皆さんの歌声は、本当に素晴らしいものでした。特に、合奏と合唱を合わせて取り組んだ「さくら」(作詞作曲:森山直太朗)は、学年以外の多くの先生からも称賛の言葉をいただき、担任として嬉しかったのを覚えています。身体がそれ程大きくない男の子が誰よりも大きな口を開けて歌う姿や、木琴を担当する子が一生懸命に歌いながら演奏する姿が今でも目に浮かびます。5年生の運動会で表現した「GOOD LUCK !!」での皆さんの姿も、忘れられません。仲間と動きを合わせて一体になることを目指した、あの表現。運動の得手不得手にかかわらず、学年全員が仲間と息の合った動きを見せてくれたことに感動しました。運動会といえば、6年生の組体操。125人で12基もの人塔を上げようとしたのは、今から思えば無謀な挑戦でした。運動会の前日になっても、なかなか成功しないまま当日を迎えましたが、皆さんは見事に一回で成功させました。オペレッタでは、ソロで歌う子の声が歌の途中で出なくなってしまった時、合唱隊が自然に歌いだして仲間を支えたあの瞬間のことを忘れることができません。
 皆さんが、附属大泉小学校で見せてくれた姿は、仲間と一緒に一つのことに取り組むことの素晴らしさと大切さを教えてくれました。みんなが同じ気持ちになって、一つのゴールを目指していく時の一体感と、成し遂げた時の喜びを仲間と一緒に感じた時の達成感を、十分に味わったことでしょう。これから社会に出て、新たな人生を歩む人が多いと思いますが、附属大泉小学校で取り組んできたことに、自信と誇りを持って欲しいと思います。
 それと同時に、附属大泉小学校では得られなかった価値観にも、たくさん出会って欲しいと思います。社会に出ると、いろいろな人と出会います。集団よりも個を大切にする人、仲間との助け合い以上に一人一人の自立を大切にする人、みんなが一緒である状況よりもそれぞれが多様であることを大切にする人など、附属大泉小学校で触れることのできなかった価値観を持った人との出会いを、ぜひ大切にして欲しいと思います。そして、自分とは異なる考え方の人と共に生きようとして悩み、葛藤し、自分なりの答えを見つけていって欲しいと思っています。附属大泉小学校で学んだ価値観が、皆さんの全部ではなく、皆さんの中の「大切なひとかけら」になることを願っています。


佐藤 晃二

■成人おめでとう! 卒業時6年ふじ組担任 
佐藤 晃二

 小学校4年生からの3年間を共に過ごしたみなさんが成人されたとお聞きしとてもうれしく思います。私が附属大泉小に勤務したのは4年間と短い期間でしたが、たくさんのことを学ばせてもらいました。何より大切だと感じたことは、「下級生が6年生に憧れる学校をつくる」ということでした。
赴任した年、4月から附属大泉小独自の取り組みに感心したり、驚いたりすることはたくさんありましたが、特に「ふんどし講習会」は衝撃でした。素っ裸で5年生が4年生にふんどしの巻き方を教える姿はなんだかユーモラスな感じを受けました。
 しかし、何度も臨海生活を過ごしていく中で、上級生の頑張りや取り組みが後輩に伝えられること、後輩はそれを目標として1年生の時から水泳の練習に目的意識をもって取り組むサイクルがしっかりとできていることがわかりました。
 皆さんと過ごした臨海生活では、水クラゲの大群が波打ち際にびっしり打ち上げられていたり、異常気象の寒さの中たき火に当たりながら練習したりといろいろなアクシデントもありました。それにも負けずに「泳ぎ切りたい」という気持ちが育っていることが菊の園の素晴らしさなのだと思います。わたしは5年生と6年生で歌い合う「新しい朝」がとても好きでした。
下級生が上級生を目標にするといえばオペレッタのことも忘れられません。台本、作詞作曲、衣装、道具など劇の全てを子どもと保護者と教員とで作り上げていくやり方は驚きでした。皆さんのオペレッタでは天使や悪魔などきらびやかなドレスのようなデザインが多く保護者の方も苦心されたことと思います。どんな難しいデザインでもその通りに仕上げる熱意に頭が下がる思いでした。
 ソロパートで主役の声が突然でなくなったピンチをみんなの機転で乗り切ったこと、ラストシーンの演出に頭を悩ませたこと、裏方のみんなが最後に並んでポーズを決めたとき中心にいた新谷君の顔が誇らしげだったこと、さまざまな思い出がよみがえります。
 オペレッタという大きな憧れをもち、1年生の時から歌うことや表現することを頑張る文化があることも菊の園の素晴らしさです。
 私は、現在東村山市の小学校に勤務し6年生の担任をしています。この1年間、「かっこいい6年生になろう」を合言葉にして過ごしてきました。いつも私の頭の中にお手本としてあるのは菊の園の姿です。
 菊の園で常に大きな目標をもち、目的的に生きることを学んだみなさんが成人を迎え、これからの社会を担ってくれることを非常に心強く思います。また、お会いできる日を楽しみにしています。

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