ホーム > 学校の近況 > 2010年度 富浦臨海報告
学校の近況
2010年度 富浦臨海報告

 私は今年も富浦臨海学校にOBとして参加させて頂きました。
 4期6年生男子は、昨年の富浦臨海で天候に泣かされ、練習回数も少なく、ぶっつけ本番で臨んだ4日目の中遠泳も雨で泳ぐことが出来ませんでした。寮での反省会、悔し涙を流し、「来年こそは!」と誓い合い、今年の富浦臨海学校を迎えました。
 富浦の海はまたも、彼らに更なる試練を与えました。雨や風によって荒れた波が、6年生男子の練習する機会を奪っていきました。海で泳げず、悔しそうな顔をして寮の食堂で平泳ぎや隊形練習をする彼らの姿は、今でも忘れることが出来ません。そうした自然の厳しさが6年生男子の気持ちを、より一層強くしていきました。
 「絶対に大遠泳を泳ぐぞ」
 子どもたちの顔が、覚悟を決めたかっこいい男の顔つきに変わっていくのが分かりました。
 そして、昨年同様最終日という後がない状況で、彼らの大遠泳はスタートしたのです。
 子どもたちはもちろんのこと、先生方や私たちOB・OGなど、この大遠泳に関わる全ての人の胸に「奇跡を起こそう!」という熱い思いがみなぎっていました。自分を信じ、仲間を信じ、ひとつの大きな魚となって、富浦の海に挑みました。
 遥か遠い浜まで響く「エーンヤコーラ」の掛け声。富浦の海を、力一杯蹴る足。波間に見える6年男子の姿はまさに男。
 そして、大きな魚は一人の脱落者を生むことなく、富浦の海を泳ぎきったのです。子どもたちの顔は笑顔に溢れ、大人たちの目に涙が滲んでいました。
 まさに富浦の醍醐味。その瞬間に立ち会えたことの喜びと共に臨海に参加させて頂いたことへの感謝で一杯になりました。
 来年も菊の子達が奇跡を起こす瞬間に、多くのOB・OGが参加し、小学生時代とは違う、富浦の醍醐味を感じてもらいたいと思います。きっと、自分の中で何かが変わると思います。

笠原 健太(61回生)

Copyright © 2003-2011 泉友会 All rights reserved.