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学校の近況
H20年度・富浦臨海(第二期)

富浦臨海を終えて
60回生 佐藤 絵里子さん

2〜4期の3期間参加させていただきました。今年度は1期から天気に恵まれ、2期で富浦寮に着いてみると1期の5年男子は皆真っ黒。「このまま4期が終わるまで続いてくれれば」と期待に胸が膨らみました。6年女子は明るくまじめで、全体的に泳力が高いと感じました。特に私が担当した2班は、陸では「怖い」と言っていながら海に入れば弱音も吐かずさらりと泳いでしまい、少し味気無いくらいでした。

3日目の午前、5,6班が人工島に挑戦するときを迎えました。既に人工島に上陸している1,2班が一緒に泳ぎます。「自分たちが皆を引っ張って大遠泳を全員で泳ぐんだ」―1,2班の子どもたちからはそんな強い意思が感じられ、とても頼もしく感じました。そんな中、5,6班の人工島挑戦が始まってまもなく、泣きながら陸に上がってくる児童がいました。彼女は足が届かないところで泳ぐことへの恐怖とずっと戦っていたのですが、その日の午後、大遠泳に臨んだ大きな魚は1人少ない状態で、完泳を果たしました。

最終日を迎え、大遠泳に挑戦することができなかった彼女は足の届くところで沿岸泳に臨むことになりました。1班が彼女と一緒に泳ぎ、浜では全員が見守っています。小さな魚が泳ぎ始め、皆が待つゴールに近づいてきたとき、脚立の上から先生が言いました。

「このまま左(浜)に曲がれば過去の自分、右(人工島)に曲がれば未来の自分だよ」

すると小さな魚は右へ曲がり、まっすぐ人工島を目指し始めたのです。浜では歓声が上がり、どんどん遠くなっていく彼女に向かって一生懸命声援を送りました。彼女はあっという間に人工島に上陸し、浜へ戻ってきたときにはとても晴れ晴れとした表情をしていました。どうしても一歩が踏み出せなかった過去の自分に打ち勝ち、未来の自分へと変身を遂げたのです。

私はあらためて菊の子の底力を実感させられました。全員がそれぞれに恐怖や不安を抱えていたはずです。私たちOB、OGはほんの少し勇気を後押ししたに過ぎません。乗り越えることができたのは、6年間菊の子として共に学んできた仲間との「絆」があったからこそだと信じています。いつか皆にはOGとして富浦に戻り、自分の思いを後輩に繋げていってほしいです。


この浜から大遠泳をスタート

最後になりましたが、卒業してからも富浦臨海に参加させていただけることを幸せに思い、私もまた菊の子であることを誇らしく思います。そして、毎年富浦臨海を作り上げてくださる先生方、サポートしてくださる泉友会の皆様に心より感謝申し上げます。

富浦の素晴らしさ
63回生 相澤 千穂実さん

私にとっての富浦臨海は小学校生活の中で特別な思い出です。

6年生の時、大遠泳を目前にして熱を出してしまいました。それでも、どうしても大遠泳を泳ぎたいという気持ちを、先生方をはじめ、ドクターも小野さんもOB、OGの皆さんも受けとめてくれました。そして、最善の処置を施してくださり私は大遠泳を泳ぎきることが出来ました。

この経験はその後の私にとって、かけがえのないものになったのは言うまでもありません。

「私でも出来るんだ。」

自分を信じることができるようになりました。

そして2008年夏、富浦臨海にOGとして初めて参加させて頂きました。

行きのバスの中で、不安な気持ちを話す5年生の子供たちに、自分も同じことを考えていたなぁと当時の自分の姿を重ね合わせながら、富浦へ向かいました。

富浦では子供たちの就寝後、先生方と合同で反省会をし、次の日の確認や、1人1人のしおりにコメントを記入してと、生徒として参加している時には気づくことがなかった数々の事を知りました。自分たちが生徒として参加していた時も同じようにしていてくださったんだと思うと、嬉しさと感謝の気持ちで一杯になりました。

OGとしては初めての経験に戸惑うことが多く、子供たちに元気をもらいながらなんとか過ごすことができたというのが正直な気持ちです。
今年の臨海を振り返りながら思うことは、卒業してもなお、学びの場を与えて頂けるこの大泉小学校の素晴らしさです。来年の夏もまた富浦で、子供たちの笑顔と一緒に真っ黒に日焼けしたいと思います。

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