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学校の近況
富浦臨海報告

富浦臨海を終えて
57回生 池ノ内 莉沙

去年は『今日の自分から明日の自分へ』、そして今年は『今日から明日へ 仲間と共に』というのが今年度6年生の富浦臨海の目標でした。

私 は今回1・2期の参加でしたが、今年は梅雨明けが遅かったせいもあり、2期の6年生女子は天候が非常に悪く、海のコンディションも決して良いものではあり ませんでした。本来ならば全部で6回海に入って練習できるはずが、大遠泳の本番を入れても3回しか入れず、海へ練習に行く際も、雨の中黒いゴミ袋を雨具代 わりに羽織って雨を凌いだり、浜では焚き火をたいて体を温めたりと、過酷な条件の連続でした。それにも関わらず、大遠泳では見事に挑戦した全員が完泳証を 手にすることが出来ました。

遠泳という のは、一人では到底できないことだと思います。そのできないことを仲間と共にみんなで頑張り、成功させてしまうことが遠泳の素晴らしさであり、氷水の様に 寒い中、自分に負けず無事に完泳出来たときは、泳ぎきった子ども達も、サポートしている私達も、やりきったという達成感に思わず目頭が熱くなりました。

OG として臨海に参加するようになってから、大泉小学校は凄い!と思ったことの一つに、“歌うこと”があります。 『富浦臨海の歌』をはじめ、6年生の学年の 歌『ゴールめざして』、また交換会の時に歌う『あたらしい朝』など、昔とまったく変わらない歌を聞くと、一気に子どもの頃に引き戻され、懐かしさやあの頃 の思い出が鮮やかに蘇ってきます。
  当時はただただ必死に泳いでいましたが、OB・OGという違った立場から富浦臨海を見て、初めて先生方や周りのみんなのサポートの大きさを知り、沢山の人 の協力で成り立っていることを実感しました。そして、この伝統が脈々と受け継がれていっているということに、大泉の伝統の重みを感じ、大泉小学校って良い なぁ・凄いなぁと改めて思いました。

こ のように貴重な経験に毎年参加させて頂き、準備の段階から大変お世話になった諸先生方、いつも暖かく迎えて下さる富浦寮や毎年サポートをして下さっている 泉友会の皆様には、感謝の気持ちでいっぱいです。そして、今年一緒に頑張り、感動を味わえた子ども達やOB・OGの仲間と出会えてとても嬉しく思います。

この達成感や何とも言えない充実感が富浦臨海の凄いところであり、今後も大好きな富浦臨海に参加出来たらなと思っています。

また、子ども達がいつか富浦に戻って来たいなと思ってくれたら最高です。

・・今日から明日へ 仲間と共に・・

臨海報告
59回生 助川 学

今年の1・2期は、過酷な条件の下で行われました。しかし、3・4期ではそんな1・2期が信じられないほどの晴天に恵まれ、最高の条件の下で臨海生活を送ることができました。

今年度、私は6班という泳力的には一番未熟な班を担当しました。6年男子、最後の臨海生活。何としても、全員を大遠泳で完泳させてあげたい。全員で完泳をし、あの言葉では言い表すことの出来ない感動をさせてあげたいという思いを胸に、臨海生活に参加しました。

い ざ、1年振りの富浦の素晴らしい海に入り、水慣れをした時です。一人だけ、ブルブルと体を振るわせる子がいました。その子は、今年転校をしてきたばかり で、今までは南半球の暖かい国で生活をしてきた子でした。気温30度・水温26度という、私達からすれば最高の条件も、彼にとっては「寒い」過酷な環境 だったのです。なんとその子は、7月の水泳指導でやっと25メートルが泳げるようになったということでした。それを聞いたときに私の中で、本当に大遠泳を 完泳出来るのか?という「不安」と、絶対に完泳させてあげたいという「決意」が駆け巡りました。

2日目の午前中から、その子は6班の子達から離れ、先生と私による2対1の特訓が始まりました。

3 日目。大遠泳に挑戦できないのは彼一人だけでした。浜で皆が戻ってくるのを待ちました。挑戦者全員完泳。最高の結果でした。当然、皆から笑顔がこぼれまし た。しかし、口を揃えて「まだ終わっていない。」「明日、あいつが完泳するまでは終わらない。」と言ってくれたのです。まだ12歳の子ども達から、こんな 言葉が聞けるとは思ってもいませんでした。
  そして4日目。彼の頑張りは奇跡を生みました。7月に25メートルしか泳げなかった子が、60分間の大遠泳に成功したのです。
  先生方はもちろん、OBも誰もが驚きました。誰もが頑張っても中遠泳だろうと思っていました。しかし、彼は大遠泳をやってのけました。初日から彼を見てい た私は、完泳の瞬間、思わず涙を流してしまいました。それは、安堵や感謝、様々な感情が入り混じった臨海のあの感動でした。
  彼は、先生やOBの指導に一度も首を横に振らず「素直」に受け入れ、未知の海に「挑戦」し、周りの友達・先生方・OB・OGに「感謝」しました。まさに菊の子の目指す姿がそこにありました。
  今年の臨海生活で私は、大切なことを子供たちから数多く学びました。私にとって、富浦臨海生活が、そして大泉が最高の学び舎だと強く実感しました。今年も参加できたことに心から感謝したいと思います。

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