56回生 小林裕人
僕がずっと富浦臨海生活に参加している一番の理由は子供達と一緒に海を泳ぐ事で、自分が小学生の時に経験した富浦を思い出し、自分も一緒に遠泳を完泳したかのような感動を何回も味わう事が出来るからだと思います。
今年の富浦は冷夏で例年に比べるととても寒く、海を泳ぐことさえままならなかった期もありましたが、ここでは一番僕の印象に残った第4期。6年男子の話をします。
今年の6年男子は去年5年生だった時も富浦で一緒に過ごしていたので、個人的には富浦に行く前から一番楽しみにしていました。実際子供達に会うと体は大きくなっていましたが去年と変わらず無邪気で元気いっぱいで、「やっぱりこの子達は可愛いな」と思いました。
しかし富浦臨海生活は楽しい反面とても厳しい面もあります。海に入れば当然危険を伴いますし、寮での生活も規則正しい生活を友達と協力し助け合ってやり抜かなくてはなりません。そういう意味では少し不安になるくらい元気の有り余った子供達でした。
僕の担当した2班は上級班で、水泳の面でも生活の面でも他のみんなのお手本にならなければなりません。しかも4期は 今年の富浦臨海生活を締めくくる最後の大事な期です。それなのに楽しさが先行して注意力も散漫で、なまじ泳げるだけに海を甘く見てしまっていて、それが寮 での生活にも出てしまってとてもお手本とは思えませんでした。しかし、1日2日と経って遠泳が近付くに連れて子供達の態度も真剣になっていき、その子供達 の変化は回りの誰もが気付く程大きなものでした。そして3日目の午後、遠泳を完泳した子供達は、もう立派なお手本になっていました。
そして、4日目に遠泳に挑戦する友達のことも精一杯応援して、6年男子全員が大遠泳完泳と言う大きな目標を達成することが出来ました。そして臨海生活が終わってバスで学校に帰って来るまで、2班の子供達はしっかりお手本の役目を果たしてくれました。
これで今年も、富浦臨海生活を通して確実に1歩大人に近付いた子供達を見ることが出来ました。そして僕自身が忘れていた素直な気持ちを思い出すことが出来ました。本当に富浦臨海生活は素晴らしいものだと思います。子供達の成長を大きく前進させることが出来る。そして富 浦臨海を経験した僕達が改めて富浦臨海に参加してもまだ富浦臨海から学ぶことが出来るのですから。
これからも出来る限り富浦臨海生活のお手伝いをしていきたいと思います。